はじめまして 東京(GEMBA)のデザイナー 加藤明日香です
秋も終わり 冬の入り口
先週 京都の紅葉が見頃という情報を入手し
早速行ってまいりました
京都というだけで 東京よりも色彩は5割り増しぐらいで目に移ります
嵐山は竹林の青さと 優美な色で彩られていました
時々編み物をしている私としては こういう色をみると
いろんな色の毛糸を混ぜて編んだら綺麗なセーターができるんだろうな…と思います
侘び寂びのある清水寺の本堂と 自然の色がおりなす風景が
その時だけ見ることのできた「京都の四季」という感じで
とても贅沢な時間でした
さて 古来より日本には 外来語が入って来る前から
たくさんの色を表現する言葉があります 例えば…
瓶覗(かめのぞき)
「藍染の淡い青色を指す色名でやわらかい緑みの青のこと」
諸説ありますが 瓶に張られてた水面に映った空の色を人が覗き見た色とのこと
風情がある表現ですね
そういった視点で京都の色を見てみると
墨色の格子や犬矢来 朱色の壁の建物があったり
八阪神社と清水寺の塔は 普段見ることのない 独特な色使いです
ほぼ同じ色彩で彩られていましたが
日本の伝統色で言うと 胡粉色 / 赤橙 / 鴨の羽色 /深支子
胡粉色(ごふんいろ)…
日本画にも使われる白色顔料の「胡粉」の色をさし ごくわずかに黄みがかった白色
赤橙(あかだいだい)…
一般にやや赤みの濃い橙色のこと せきとう色ともいう 熟した柿の色に似ている
鴨の羽色(かものはいろ)…
真鴨の頭の羽色に由来する少し暗い青緑色のこと 『青葉』や『春山』にかかる枕詞でもある
深支子(こきくちなし)…
赤みの淡い黄橙色のこと 支子(くちなし)の実で染めた黄色の上に紅染めを施し赤みを重ねた色
色の名前にも物語があり
自然や動物の色を基本として捉え 記憶され伝わってきているようで趣があります
そして日本の伝統色は まだまだたくさんの色があり興味深いです
季節ごとに色をみつけに また訪れてみたい京都でした