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ミナ・ペルホネン展に行ってきました。
2020.03.01 Storyteller

 

記事作成のため弊社得意先のYAMAGIWA社へのインタビューをしておりました際

2月まで東京都現代美術館で開催されていた「ミナ ペルホネン / 皆川明  つづく」展を勧めていただきました。

そして行ってきました。これがおすすめの通りとても良かったのです。

 

まず展示構成が。ブランドを象徴するモチーフの紹介が冒頭からダイナミックに展示され、オブジェクトを美しく配置するだけでなく、空間全体を作り込んでいます。

それはあえて演出したというよりもむしろ、空間の細部まで手を加えることで雰囲気全体を創っていく「いつもの」ミナの仕事であり、ありのままである、そういう印象でした。

 

だからこそ、要所要所でミナの世界観を感じ取ることができたのだと思います。

 

 

全体としては、ミナの製作プロセス、作品やモックアップ、プロモーションムービーの展示、そしてミナの服を購入したファンの物語が展示されていました。

 

見せるものの選び方、見せ方の随所にミナの思想が反映されているのがわかります。

 

「森」という名の展示。

大胆な展示方法で圧巻されますが、服の形状ごとに、中のワイヤーの種類など少しずつ備品が違っていました。

そういう見えない細部への気遣いがあってこそ、印象的な展示が成り立つのでしょう。

 

プロダクトを魅せる方法も様々。
良い意味のルーズさがミナ「らしさ」をさらに演出しています。

 

ブランドを通して展開される様々な試みが、
その温度感を保ったまま、臨場感を持って紹介されています。

 

ミナの「せめて100年つづくブランドに」と継続してきた活動は、ファッションの領域を越えて、ホスピタリティを基盤にした多様な分野へと展開していきます。

 

ミナの「ホスピタリティ」は、「心配り」「思いやり」という表現のほうが近い気がします。人の生活、日常に寄り添おうとするブランドだからこそ、その価値観が深まり、発展したものなのではないか、とか、考えが膨らみます。

 

ファッションの分野を越えたものとしてひとつ、
「簡素で心地良い宿」のプロトタイプがまるごとありました。
これはデザイナーの皆川明さんの将来の夢として構想しているものなのだそうです。

 

外から見てもおおよそ雰囲気はわかった気になるのに、その室内に入ると感じ方が全然違うのです。

とても小さな家ですが、ゆったりと「気持ちの余裕」が保てるような空間、温かで、落ち着きがある、
まるで「空気感」そのものがデザインされているようでした。

もちろんそれを形作るのもまた、ひとつひとつのオブジェクトであり、やはり細部に至る演出なのです。

 

照明の光の柔らかさはランプシェードの素材やボリューム、厚みからも表現されていて、ライティングの設計もされているYamagiawaがこの展示を勧めてくださった理由がわかったような気がしました。

光が空間をつくるということを、改めて知るきっかけになりました。

 

ミナのファンは年齢層も広いようですが、それ以上に「長く愛されている」という事がわかったのは大きな発見でした。

幼い頃のお気に入りのワンピースは一生の思い出になり、成長してブランドのファンになり、お洒落なお婆ちゃんになってフォローし続けている、それくらいの長さです。

(そんな実際のストーリーが語られていました。)

 

一生愛せるものということなのです。

それってとても素敵なことですよね。

 

 

 

 

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