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特集:AI時代のSEO最前線 Forbesが語る「ゼロクリック検索」時代とブランド価値の本質

2025.07.16 Storyteller

昨今、自然検索流入が昨年に比べて大きく減少するケースを耳にする機会が増えました。
この背景には景気や市場変化のほか、Googleのアルゴリズム更新など、様々要因が考えられますが、先日Forbesの記事で、この現象の核心に迫る興味深い記事がありましたので、本ブログで引用し、ウェブサイトの向き合い方について見解を交えながらご紹介したいと思います。

1、はじめに:Forbes記事が示す「静かな大変革」とは

今年4月、Forbesに掲載された記事「The 60% Problem — How AI Search Is Draining Your Traffic(60%の問題 — AI検索があなたのトラフィックを奪っている理由)」は、現在のオンラインマーケティングが直面している変化を非常に的確に捉えているものでした。まずは原文を抜粋してご紹介します。

アライバルクオリティーでは、ECサイトリニューアルを成功に導くために、以下のフェーズに沿ってプロジェクトを推進することをお勧めしています。

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オンラインマーケティングの激変、過去30年で最大の転換期へ

Googleの誕生以来ほぼ30年ぶりとなる大きな変化が、オンラインマーケティングの世界で起きています。最新の調査によれば、AIによる要約表示(AI Overviews)は業種や検索タイプによって15〜64%ものオーガニックトラフィック減少を引き起こす可能性があることがわかりました。

AIによる「ゼロクリック検索」の新現実

現在、検索の約60%がクリックなしで完結しており、検索結果ページ上のAIによる回答がユーザーのニーズを満たしてしまっているのです。加えて、GoogleのAI Overviewsは従来の検索結果の上位リンクを最大1,500ピクセル(PCで画面2回分、スマホで3回分)下へ押し下げることが確認されており、たとえ上位表示されていてもクリック率が大きく下がっているのです。

AI Overviewsとは何か?

検索結果の一番上に表示されるのがGoogleのAI Overviewです。これは脚注付きで要点をまとめた回答で、ユーザーの約6割はこの要約だけで満足し、他のウェブサイトへのリンクをクリックしません。これはGoogleや他のAI検索エンジンにとっては理想的ですが、Webサイト運営側からするとクリック率の大幅減少を意味します。つまり、SEOやコンテンツマーケティング、キーワード広告などが、AIにピックアップされない限り無駄になってしまうのです。

出典:Forbes「The 60% Problem — How AI Search Is Draining Your Traffic」より

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この記事が示すのは、検索エンジンの役割そのものが根本的に変わりつつあるという大きな構造変化であり、インターネット以来のパラダイムシフトと言えると思います。

AIやSEO分野の専門家であるウイカンダー氏は、記事の中でAI Overviewsを「スーパー図書館員」と比喩しています。つまり旧来の検索は、ユーザーを様々なウェブサイト(本)へ案内する「紹介者(司書)」のような体験だったのに対して、AI Overviewは司書、自らが答えを要約・生成しユーザーにその場で提示してしまう(本を借りない)ような変貌であると表現しています。
この「ゼロクリック検索」の増加は、特に「〇〇とは?」「〇〇のやり方」といった、これまで多くのアクセスを集めてきた情報提供(ハウツー)型のコンテンツにとっては大きな逆風となります。ウェブサイトの存在意義が、「答えを提供すること」だけであった場合、その役割はAIに代替されてしまう可能性が高いということを意味すると言えます。

2、新たなトレンドワード:LLMO、AIO、GEOへの冷静な視点

生成AIが注目され始めた2023年末頃から、AI時代のSEO・デジタルマーケティング用語として、いくつかの用語が登場してきました。

  • LLMO (Large Language Model Optimization / 大規模言語モデル最適化)
  • AIO (AI Optimization / AI最適化)
  • GEO (Generative Engine Optimization / 生成エンジン最適化)

これらは、まだ定義が完全に固まっているわけではありませんが、概ね以下のように理解されています 。

・LLMO / GEO:

ChatGPTやGoogleのAI Overviewsのような、大規模言語モデル(LLM)や生成AIエンジンが回答を生成する際に、自社の情報やウェブサイトが引用・参照されやすくなるようにコンテンツやサイト構造を最適化する取り組みを指します。目標は、検索順位で1位を取ることではなく、AIにとっての「信頼できる情報源」として認識されること。

・AIO:

より広範な概念で、LLMO/GEOのように「AIに対してコンテンツを最適化する」という意味で使われることもあれば 、逆に「AI技術を活用してマーケティング活動全体(コンテンツ制作、SNS運用など)を最適化する」という意味で使われることもあるようです。

新興概念と、確立されたSEOとの違いを整理すると以下のようになります。

概念 主な目的 対象 現状の確立度
SEO SEO
Google検索結果での上位表示とクリック流入の最大化
検索アルゴリズム 確立されている
LLMO/GEO AI生成回答内での引用・言及の獲得 大規模言語モデル 大規模言語モデル
発展途上・標準化されていない
AIO AI生成回答への影響、またはAIを活用したマーケティング最適化 大規模言語モデル/各種AIツール 定義が混在・発展途上

ここで重要なのは、これらの概念に冷静な視点を持つことではないでしょうか。LLMOやGEOは「理論的には成立しうる」ものの、現時点では「確立されたサービス」とは到底言えないでしょう。その理由としては、AIモデルがどの情報をどのように選び、回答を生成するか、メカニズムはブラックボックスであり、SEOのように再現性のあるノウハウが体系化されていないためです。

2025年7月時点、LLMOやAIOに関する明確なGoogleの公式ガイドラインも存在していません。

3、変化の時代だからこそ原点回帰へ:Googleが示し続ける「E-E-A-T」の真価

新しい技術用語も気になるところですが今、私たちは何に注力すべきなのでしょうか。ポイントはGoogleが長年、品質の高いコンテンツを評価するために示し続けている指針の中にあります。それが「E-E-A-T」です。

Googleの品質評価基準「E-E-A-T」とは?

E-E-A-Tとは、Googleが検索結果の品質を評価するために用いる人間(品質評価者)向けのガイドラインの核となる考え方で、以下の4つの単語の頭文字を取ったものです。

  • Experience (経験)
  • Expertise (専門性)
  • Authoritativeness (権威性)
  • Trustworthiness (信頼性)

このE-E-A-Tの中で最も注目すべきは、2022年12月に新しく追加された最初の「Experience(経験)」で、2025年3月のGoogleコアアップデート公式発表(Xや公式ブログ)でも、E-E-A-T全体の強調とともに「Experience(経験)」の価値が高まったことが示されています。

「経験(Experience)」の追加・重視についてGoogleの公式説明

この「経験」をあらためて重要視する理由には、AIコンテンツの台頭と密接に関係していると考えられます。つまりAIは、インターネット上の膨大な情報を学習したり、要約することはできますが、実際に商品を使ったり、サービスを体験したり、特定の場所を訪れたりすることはできません。
AIには、この「一次体験」がないため、Googleが「経験」という要素をあらためて強調したことは「AIには生成できない、人間ならではの価値を持つコンテンツを我々は評価する」というメッセージに置き換えて、解釈することができると考えられます。

E-E-A-Tをおさらい。それぞれの具体的なアクション

E-E-A-Tは抽象的な概念に聞こえるかもしれませんが、具体的なアクションに落とし込むことが可能です。4つの要素それぞれについて、どのような行動が求められるかを以下の表にまとめました。

概念 主な目的 対象
Experience
経験
コンテンツ制作者がトピックに関する直接的な実体験を持っているか ・使った、行ったなどの具体的な実体験を明記
・写真や動画など体験の裏付けを掲載する
・個人の体験談、感情や気づきを盛り込む
Expertise
専門性
トピックに関する高いレベルの知識やスキルを持っているか ・監修者のプロフィール(資格・経歴)を明記
・専門用語の正確な使用と解説
・詳細なデータや調査に基づく記事作成
Authoritativeness
権威性
その分野で第一人者、または信頼できる情報源として認識されているか ・権威あるサイトからの被リンク獲得
・業界イベントへの登壇、メディア掲載実績の表示
・業界団体や公的機関との関係性を示す
Trustworthiness
信頼性
ウェブサイトや情報が正確・誠実・安全で信頼できるか ・運営者情報の明記、問い合わせ先の設置
・プライバシーポリシーの整備
・HTTPS化やセキュリティ対策を徹底

4、まとめ:AI時代に最も重要なのは、揺るぎない「ブランド価値」

今回はForbesの記事をきっかけに、AI検索がもたらす変化や、私たちが取るべき戦略について考察してきました。AIの台頭による「ゼロクリック検索」の増加、次々と現れる新しい技術用語への警鐘、そしてGoogleが示し続ける「E-E-A-T」という指針。これらの点を踏まえたとき、これからの時代で最も重要な指針となるのは、小手先のテクニックではなく、揺るぎない「ブランド力」であると、私は結論づけています。なぜならE-E-A-Tを突き詰めて実践することは、顧客からの信頼を積み重ね、結果的に強力なブランドを築くこととほぼ同義だと思うからです。

この考え方は、Forbesの記事でエリック・ウィカンダー氏が語っていた
「コンテンツこそが次なるパフォーマンスマーケティングだ」という言葉に集約されています。

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Content is becoming the new performance marketing,” Wikander emphasizes. “As paid channels get more expensive and traditional search fragments, your best lever for growth is content. Not just any content, but content that AI sees as helpful, credible and worth including.
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引用後半は「広告コストが高騰し、従来の検索も分断されつつある中で
AIに“価値がある”と見なされるコンテンツこそが最大の成長レバレッジである」と強調されていました。

非常に共感を覚えるコメントで、これはAI(AI Overview、LLMO、AIO、GEO)という新技術が登場したからといって、特別なことをする必要はなく、むしろ、これまでもビジネスの成功に不可欠であった基本原則へ立ち返るべきだ、という強いメッセージだと受け止めています。

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