こんにちは、フォトグラファーの東です。
街中で、またインターネット上でも頻繁に目にする広告。なかでも製品アピールを目的としたいわゆる商品写真を使った広告を目にする機会が多いのではないでしょうか。今回は、写真を撮影する上で欠かせない「光」、それも自然光とストロボの違いがどういうものなのかについて、わたくしがフォトグラファー目線で解説していきたいと思います。
まず自然光とストロボの1番の大きな違いは、自然光に比べてストロボの光は光源、質、方向性、角度など様々な要素を自在に調整できる点です。これにより天気などに左右されない、幅広いライティングが可能になります。
プロ用の機材ですとどうしても高価になってしまいますので、一般的にもお買い求めやすい機材例をご紹介させていただきます。
メーカー GODOX
機材名称 SKⅡ 400w スタジオフラッシュ
金額的には2万円台で購入できるので、初めて機材を購入される方はこのくらいのものからで十分かと思われます。
弊社の撮影時は担当するフォトグラファーにもよりますが、主にブロンカラー社製ストロボを使用しております。太陽光とは異なる専門的なライティングワークにより、撮影に幅を持たせてくれる事が主な特長です。
※ブロンカラー社:撮影用ストロボの 最高峰とされ世界中のトップフォトグラファーに愛用され続けているスイスの撮影機材専門メーカー。
ここからはビール瓶を被写体として、広告などで使用される写真表現のレクチャーを披露させていただきます。
まず上図のように左サイドと背景にトレーシングペーパーを設置します。瓶内の液色の色味を出すため背景のペーパー越しに1灯、 メインライトとして左サイドのペーパー越しにも1灯設置します。
次に、ラベルの色味を出すために左サイド斜め上と真上にも1灯ずつ設置します。これにより適正なラベルの発色と、キーとなるハイライトを入れることができます。またトップライトは瓶の蓋やボトル全体のコントラストを上げる効果もあります。
さらにアクセントとして手前側に小型ストロボを1灯設置。これにより全体の露出の細かい調整をしていきます。右サイドに銀紙(アルミホイルなどでOK)を設置してシャドウ側を調整しつつハイライトを加えます。これで全体のライティングは完成です。
最後に、ビールの冷涼感とシズル感を演出するため、霧吹きで瓶に水滴を付けていきます。 シズル感とは食材などを油で揚げたり、熱した鉄板に水を落としたときにじゅうっと音を立てるさまの意味で広告写真で用いられる表現で、消費者の五感に訴えて購買意欲をそそる手法のことを指します。みずみずしさやジューシーさをアピールした、「おいしそう」な写真ということですね。
ここまでの下準備をしたうえで撮影した1枚がこちら。
暑い夏に飲みたい、キンキンに冷えたビール!という感じですね。
写真では光源の位置や光の質、方向、角度などによって様々な表現が可能になります。今後も色々な被写体でカメラテクニックをご紹介していきたいと思いますのでお楽しみに!
ちなみに、撮影した写真を使ってバナーを作るとこんな感じです。
次回のDESIGN RECIPEでは、
実際のバナーの作り方についてお話させていただく予定です。
お見逃しなく!
-使用機材-
Camera SONY α7RⅢ
Lens SONY FE 24-70mm F2.8 GM
Light Broncolor Siros800S ×3灯