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Quality People, Quality Stories. Vol.5-02

明かりとともにある「文化」Vol.2

住まいをはじめ、展示施設、医療機関などさまざまなシーンで光をデザインするYAMAGIWA社。Vol.1に続き、EC等、デジタルマーケティング領域を担当する大森氏に話を聞いた。

 

 

ーまず、「YAMAGIWA」のEC売上における、B2C,B2B割合比を教えて頂けますか。

 法人名の登録は任意のため、おおよその値になりますがtoC2割、toB8割の比率です。直近の1~2年に大きな変化はありません。

ーやはり企業様等、YAMAGIWA様の照明をEC購入というお客様は一定数存在するのですね

 そうですね。更にチャネル別にデータを分解してみると、直販ドメインとモール系でも傾向が違い、直販ドメインでは25%が法人様にもなります。

ー自社EC売上に対しての法人比率、大きいですね。

 そうですね、法人様は何かの機会に当社の事を覚えて下さっていたりオフラインを含めたエンゲージメントが既にあって、コーポレートサイト経由や検索エンジン経由で再来訪、そしてコンバージョンというパタンが多いと思います。
またポイントやクーポンによる特典に影響を受けることが少なくモール内検索を第一アクションにされない傾向が強いのも、法人様の特徴です。

このように、オフラインを含めた複数経路がある事が比率の要因と分析しています。

ー因みに自社ECで法人ユーザが一定量の売上を占めているのは、何かしら施策が功を奏しているのでしょうか?

 入り口に関しては、基本的に個人様と同様のプロモーションを行ってます。
潜在層には、自然検索対策とリスティング広告を使い分けながら新しい接触機会をつくる事、接触したあとは「専門性×品揃え」でエンゲージメント獲得を狙っています。

検討段階に入って少し異なる動きが出ます。
法人様の場合、まとまった商品点数のご検討や、見積書や請求書のご要望もありますので、少し違ったカスタマーサポートが必要です。さらに法人様の先にクライアントがいらっしゃる場合などは、納期的に間に合うものを優先して提案するなど。

法人様がクライアントをお持ちの場合、技術的な事からご相談から頂くケースもありますので製品データのご提供や、電話とメールを使い分けながらフォローしていくことを大事にしています。

ーなるほど。「信頼構築」というのは1つキーワードですね。思い出して頂けるという事ですね。

その一方で製品単価も高く、尚且つ他店さんのECチャネルでも同じ製品が買えるという中、貴社ECは継続成長を続けていますよね。毎年そこを拡大していく為の施策でしたり、考え方を教えて頂けますか。

 常に悩むテーマですね(笑)

ーごめんなさい(笑)

 私個人は、先代の社長が説いた日本の照明文化の在り方に共感し、これからも通じるテーマと感じています。一般に照明は電化製品の1つとしてIoTの潮流にあると思いますが、当社が目指すのはスマートホームの利便性ではなく、精神的な豊かさがもたらす空間ソリューションだと思ってます。

未来にARやVRがどんな進化をしても、この体験価値は持続可能なものと信じていますので、時勢の動きに合わせたECなりのプロモーションにアップデートしていくことが必要だと思っています。

前年を越えていくためには、掲載アイテム数を増やしていくことも重要です。
当社が扱う照明以外の「家具・インテリア雑貨・輸入家電」は、いづれも照明を軸にお部屋に潤い、癒し、豊かさを連想できるアイテム構成に整えています。リピート率UPや回遊率UP、ブランディングにも重要なため、統一感を損ねずにアイテム数を増やしていく事を心がけています。

 

 

ーリピートユーザを離さない=単価の高い照明もリピート自体は実際にあるということですね?

 個人宅で照明がリピートするケースは想像しづらいかもしれませんが、例えば天井照明(シーリングライトやペンダント)を購入し、これに合わせたフロアスタンド、テーブル照明を後からご購入いただくようなケースはありますね。

継続的にYAMAGIWAで買おうと思って頂くためには、やはりコンテンツが重要で、ブランドストーリー・デザイナーストーリー、商品ストーリーなど、何らか際立ったものが必要です。とくに照明については私たちが1923年創業の照明メーカーだからこそ語れるレイヤー、つまり競合他社が追従できないポイントを強みに語り切ることで、お客様の体験にしっかり記憶して頂ける事が大事だと思ってます。

ーつまり照明の素晴らしさや製品、ブランド体験だったりを理解できる状態を目指すことが、更にリピートに繋がるのではないか、ということでしょうか。

 そうです。
リピートに繋がるのと同時に、新規顧客へのコンバージョン率にも寄与する要素でもある筈なので。

ーその達成度合いはどうですか?

 もちろん100じゃないです(笑)
商品情報は常に入ってきますので、プライオリティの問題でコンテンツを簡単に済ませる場合も必然的にあります。
全商品に対して完全燃焼はできないので、バランス感がとても難しいです。やりたくても、時間の都合でできない時もあります。全然、達成はできていないですよ。

ー現状、複数チャネルのECを展開されていますが、今は何名で運営されているのですか?

 全7名、制作とマーケで3名、受注・CS業務で4名の構成です。

ーでは他に、実はこういった施策がリピートに繋がっているのではないかという施策はありますか?

 ベタですけれども、やはりメルマガというのは今でも結構リピート率に貢献している施策だなと感じます。頻度は週に1度、遅くても2週に1度は配信していますが、シーズナルな商品、メディアで注文された商品など、タイミングが合うとリアクションは直ぐにあります。ECの販促ではメルマガが下火という話も聞きますが、まだまだ有効な施策だと感じます。

ー大森様ご自身はECで何かよく買われるんですか?

 実はあまり使いません。(笑)

私自身は接客体験が好きで、やっぱり見て、触って、比較しながら、店員さんと話して買いたいと思う派です。東京に住んでいるからだと思うんですけれども、時間のある限りはお店に行きたいですね。

ーお仕事柄、他社のメルマガを分析がてら購読してみたりとかは?

 しますします(笑)
前々職でECを10年やってた中で、メルマガも5年くらい書いてましたが、どう書いたらいいんだ!と始めはよく悩みました(笑)とにかく色々な業界のメルマガ登録をして参考にしました。情報が偏らないように、車、アパレル、アウトドアなど、興味のない化粧品業界までメルマガ会員になってエッセンスを拾い集めました。自分のメールボックスをカテゴライズして、アイデアノートのように使ってました。

ーお腹いっぱいになっちゃってる部分はあるということですね(笑)

 ですね。

ーでは、大森様は職業柄、例外ということになりますが、実際毎週撒かれているメルマガで、鮮度が高い情報であれば、その時に良いリアクションは感じていると。

 そうですね。

ーメルマガはチームで持ち回りされていますか、それとも専任者がいらっしゃいますか。

 制作チームの1人がほぼ専任で作っています。
先ほどのお話しの通りストーリーには質と量を重視するので、逆に情報過多になる場合もあって、商品ごとに訴求軸も違いますので、そのあたりはメルマガ毎に小見出しレベルで構成を指定して、差し込む画像も粗く指示します。フェイスブックは少しテキスト量を簡潔にイメージ多めで調整指示しています。

ーYAMAGIWA様のフェイスブックページは部署単位で複数運用されていますよね?

 そうです。例えばECのMDとショールームのMDは別なので、それぞれのアカウントで個々にホットなものを発信しています。ECですと新商品情報が主ですが、今、ドラマでタリアセン出ていますと、という軽いものもあります。

ー先日、ミッフィーの記事が出ていましたね、これもその担当者様が執筆を?

 ミッフィーは別の女性担当者です。女性ならではの視点や感性が、商品特性とマッチしそうだったので担当チェンジしてました。

ーそれを大森様が校正のチェックをしたり、リライトまでされているんですか?

 毎回、テキストと画像の修正指示を入れてます。けっこう工数がかかりますが、そこのフィルターが無いと、ストアの完成度とか、信頼度に響くような気がしているので。

件名の言葉選びから、本文の句読点、装飾語のバランスとか、起承転結の緩急の付け方も含めて、私を通過するところでリバイスが入ります。

ーその大森様のパーソナリティや培われた経験、感性であったり表現のレベル感のような定性面は、どうチームに平準化していったりナレッジ醸成しているのでしょうか。

 だいたい最終的には感性について来れるか来れないかという話になっちゃうと思うんです。
私もときどき呆れられるので(笑)

ただナレッジとしてはそうも言ってられないので、まずは定性面はできるだけ排し、ロジカルな会話を心がけていて、ベタな3Cとか4Cのフレームワークを使うこともあります。メルマガ作りでよく採るフレームワークですと、商品の訴求軸を思いつく限りキーワードレベルで列に記し、行に起承転結をベースにした小見出しを並べます。

例えばある商品の訴求軸が「価格」「流行」「希少性」3つ挙がった場合は列に3つ、行に起承転結で1文ずつ書き、9マスの図を作ります。次にペルソナを意識しながら3列を縦に読みながら、もっとも読者に響くストーリーがどれかをチームで考えていくと、結論はだいたい1つにまっていきます。もし意見が分かれた場合は、9マスの中にもう少し肉付けしてみて、より盛り上がりそうな列がどれかを探ったり、プレゼンし合いながら決めていきます。

ー論拠となる要素を先ず一つ用意して頂き、設問や道筋は、大森様が都度、要件定義をされているということでしょうか。

 そうですね。たぶん「好みでしょ?」って言われると、話が終わってしまう事もありますので。要は思い込みとか、好き嫌いではなくて、商品と読者を俯瞰して見ながら、できるだけ面白いものにするために、要素を「マス目化する」するブレストのようなものです。

ーマス目化する。良い事を聞けました(笑)
大森様は、前職にEC担当のご経験がありましたよね。

 はい。前々職では画材店で丸10年、ECに携わっていて、前職ITベンチャーで2年マーケターを経験してからYAMAGIWAに入社しています。

ーそれを経て、YAMAGIWA様に入社した時、YAMAGIWAイズムやDNAは、感じましたか?

 感じましたね。「これはYAMAGIWAらしい」とか「らしくない」という会話をよく耳にした記憶がありますし、照明が好きで、あかりの事を話し始めると目が輝きだす人ばかりで驚きました。まさにカルチャーなんでしょうか。

ーその文化やカルチャー醸成に一役を買っている、効果的な役割と感じている取り組みがあれば、是非教えて頂きたいです。

 難しい質問ですが、YAMAGIWAが手掛ける公共空間の照明設計は、社会的意義も大きく、直接的にその事業に携わっていない社員たちも誇りに思い、こだわりや、美的感性の基準が形成されてきた蓄積が、大きいんじゃないかと思います。例えば誰もが知っているような公共施設〇〇の照明は、実はYAMAGIWAがすべて手掛けたという話とか、多くの美術館や教育機関の照明設計を担っている話しとか。

コーポレートサイトにも「事例紹介」というコンテンツで一部、公に紹介をしていますが、社内にもたくさんの実例写真があって、その空間美のこだわりや、苦労した裏話などを聞くと、技術的なことが分からなくても、カルチャーはだんだん作られているのだと感じます。

ーそれは絶対ありそうですね。
貴社とのお取り組みの中で、メンバー間のコミュニケーション量が凄く多い印象を持っていますが、情報発信のお取り組みは社内SNSや、情報の流通を目的とした社内報等、何があるのでしょうか。

 広報部からの全社員向けにプロモーション活動をメール共有したり、チャットツールを使った他部門コミュニケーションも活発です。
また商品愛の強い社員が集まった会社ですので、商品会議には時間をしっかり使う印象があります。すごく個々の感性や情熱に耳を傾けてくれる社風だと思いますので、打合せに熱を帯びる事が多くあるように思います。

ー会社が個の熱量を優先するという意味ですか?

 あくまでも事業としてのロジックは一定水準で求められると思いますが、熱量は推進力でもありますので、意思決定のパラメータになっていると感じます。

ーメルカリやヤフオクのようなC2C市場は、御社にとってどのような位置付けですか?

 当社が販売する照明器具に於かれた時、高付加価値の照明をご利用いただく機会創出のためには、C2Cがもっと活発化して欲しいと思っています。

高付加価値は、高価格という構図なので、やはり若年層にとってハードルは高いと思います。そこにC2Cはうまくリーチできるのではないかと。冒頭に照明文化という言葉がありましたけれども、まだまだ照明文化は芸術品に近い認識が国内にはある気がしています。

ーアートですか?

 そう、アートですね。絵画や彫刻のようなもの、音楽を含めたアート全般には相応の金銭を払って体験を得るという文化は、日本はまだ乏しいという話を聞きます。つまり照明もその類で、高付加価値の照明がもたらす精神的な豊かさは、大衆には芸術品の域と捉えられているように感じる事もあり、西洋のように市民権を得るのにはまだ時間がかかるかもしれません。だからこそ文化形成のためにC2Cの活性化は有効ではないでしょうか。
ジェネリック製品、リプロダクト品と呼ばれる模倣品で商品価値を誤解されるよりも、リユースで体験してもらった方が嬉しいです。

ー顧客育成の側面もあるという印象ですね。

 そうですね。

ーでは日々のECサイト運営に於いて、大森様が重要視されている指標があれば教えて頂けますか?

 売上はもちろんですが、デジタルマーケの場合は、色々な指標を重要視しています。UU・CVRはチャネル別とチャネル合算で毎朝チェックし、YoY・MoMの変化で比較し異常値がないかを把握します。大体、朝に5分〜10分程度の固定タスクです。

あとは直販ドメインのGoogle Analyticsで見る指標は頻繁にチェックしていて、自然検索経由のセッションを朝の電車の中で見たり、広告管理画面のCV、CPA、ROASなども注視しています。

ーそういえばpaypayモール出店は既にスタートされていますが、状況はいかがでしょうか?

 ポイント最大20%というプロモーションが盛んに行われていますが、当社の商品特性とpaypayユーザーのデモグラフィックがアンマッチのようで、まだ大きな効果はありません。商品カテゴリで言うと、インポート家電はよく動きますが、当社の定番である北欧照明とかインテリア雑貨は、まだまだ楽天の方が反応が良いですね。

ー今後ECチャネルはじめ、デジタルマーケティングでやってみたい施策を教えて下さい

 RoomClipのアカウント開設や、5秒レベルの動画を使った施策で新規顧客の開拓にチャレンジしたいと思ってます。

ー潜在顧客を育てるイメージでしょうか?

 そうですね。高年齢×高年収帯というゾーンは継続的にリーチしてきましたが、それ以外のゾーンにテストマーケをかけていきたいですね。まだアイデアベースです。

RoomClipはユーザーが投稿した写真をもとにブランディングができそうなので、もっと当社を身近に感じて頂くために、面白い手段になるのではないかな、と考えてます。

ーもう一つは?

 動画は照明の消灯~点灯イメージを3秒とか、5秒レベルでコンテンツ化したいなと。

ーユーザの投稿動画をまとめるという意味ですか。それとも貴社による動画配信でしょうか。

 後者です。
これは何のプラットホームで、どう見せるかまだ漠然としていますが、意匠照明は器具のフォルムに目を奪われがちですが、実は光そのものを設計している器具が多くあります。
この特徴を、もっとたくさんのユーザーに伝えたいという思った時、点灯する時の印象や、店頭後の周囲の変化を伝えていく事は、今までにない訴求になるのではないかと思っております。

ー購入前のユーザ体験が、来年また更にアップデートされるという事ですね。

 そうですね。例えですが「MAYUHANAをつけてみた」という軽い感じでもアリだと思います。

ー言い方がCMみたいですね(笑)
それがあると、「やっぱりMAYUHANA買っておいてかった!」となりますね。
そして若い方はメルカリでリユースして、次は新品を買って行くっていう流れが。

 そうですね、全部つなげると。
ユーザエクスペリエンスは近年のビジネステーマだと思いますが、そのきっかけにRoomClipのようなCからCに広がるプラットフォームを強化したり、動画で新しい体験を提案する事で生まれる新たな価値にイメージを膨らませています。

ー楽しみですね、是非やってください!

最後に告知PRという事で、今回Arrival QUALITY Times特集掲載に際し、とてもお得なクーポンをご用意頂き有難うございました。
すごい嬉しいなと思っていて、私も使おうかと思っている位です(笑)

 ありがとうございます。
ショッピングカートに「AQTs19Yg」とご入力頂くと5%OFFが適用される仕組みです。
何回でも使えますので是非ともご利用ください。

ー何回も使えるように頑張ります!(笑)

 今回は主に企業様が御覧になられる媒体という事で、忘年会のちょっといい景品探しとか、ご家族やご友人の方々にご紹介いただける機会もあるかと思い、無制限に設定させて頂きました。照明だけでなくて、クリスマスシーズンにぴったりな北欧雑貨やテーブルウエア、今月発売の最新ヘッドフォンまで揃っていますので、ぜひご利用ください!

ー折角ですので、そのクーポンを使ってオススメの商品をリコメンド頂けますか?

 まずは坂詰もオススメしていた伊東豊雄 さんデザインの照明「MAYUHANA」。
https://shopping.yamagiwa.co.jp/Form/Product/ProductList.aspx?shop=0&cat=dsn182

ーでは大森様からも、是非一品、これはという製品があれば教えて下さい。

 私からはタスクライト「Rebio」を。

ーRebioはデスクワークの人には是非、一度お試し頂きたい逸品ですよね。
実は私も自宅で使わせて頂いております。

 ありがとうございます。そうなんです、日の出30分後の太陽光を再現した「Rebio」は、PCメインのデスクワークでも快適性を劇的に変えてくれます。「ふっくら柔らかなあかり」の秘密は、ぜひ商品ページで。
http://shopping.yamagiwa.co.jp/Form/Product/ProductDetail.aspx?shop=0&pid=555REBIO-BKBK

 

 

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